父の目方

「・・・父がいなくなったら、うちの中が急に明るくなって、私と娘でしばらくフーチャカ、フーチャカやっていたわけです。そして気がついたら、うちの中に目方というもの、陰翳というものが消えてしまいました。明るくなったが、平板で軽薄になりました。ちょっと下向いてしゅんとするような、そんな感じでした。・・・」幸田文さんの文章である。
「・・・中国に「家は一年、木は十年、人は百年」という言葉がある。善悪合わせて、遺伝子の螺旋は子に組み込まれている。」宮本輝が選んだ普通の人々の愛憎こもごものエッセイ35編。子から見た父の姿が感動を呼びさます。

父の目方 (光文社文庫)

父の目方 (光文社文庫)