1月21日日経新聞「やさしい経済学−21世紀と資本主義・市場経済第三の道 (5)中流階層の意識」佐和隆光・京大教授
サッチャー政権幕引きの一因となった「人頭税」導入に中流階級がNOを突きつけた。弱者に打撃となった制度に高き身分の人々が労働党に票を投じた。
アルフレッド・マーシャルは1885年ケンブリッジ大学の教授就任時「社会的苦悩を克服するために、自らの最善の能力をすすんで捧げようとする冷静な頭脳と温かい心情を持つ人々の数を一人でも多くすることが、私の念願である」と語った。
丸山真男は「日本は立身出世デモクラシーの国」と指摘したが、日本の高貴な人々にどこまでそれに伴なう義務の意識があるだろうか。