黒猫がいた!

ひろしま美術館所蔵のゴッホ「ドービニーの庭」には様々な謎がある。そのひとつに「黒猫がいたのか?」がある。ひろしま美術館の30周年を記念して、吉備国際大学の研究チームのX線マッピング調査によってその謎が解明された。ゴッホは構図や色使いを意図して黒猫を描いていた。
狂気や激情といったゴッホの人生に重ね作品を鑑賞するが故に、死の直前に描かれたこの作品はいろいろな推理がされてきた。しかし、気まぐれや死をイメージするより、「ゴッホの表現力の緻密さを素直に感じて観てほしい」と古谷学芸員の言葉が印象的だった。