大竹伸朗展

FREE_HEARTS2007-09-14

彼の作品が広島市現代美術館を占拠している。まるでここに展示するために
あらかじめ準備されたかのような顔をしている。
子供時代の鉛筆画・現像しそこねたフィルム・古本屋の片隅の洋書・船の残骸。
蛍光色・ピンクビラのコラージュ・モンタージュのような風景画・ポートレート
大竹伸朗的な曼荼羅の世界を形作っている。
70年代の記憶が蘇る空間に迷い込んでしまったようだ。

大竹伸朗氏の談話より
「東京での全景展は時系列的に展示した。その時代時代に正しいと信じたことを作品にしてきたので、
一貫性とか整合性はない。
スタイルというより自分の気持ちのまま(言葉に表せない)何か確信がある。
福岡・広島での展覧会はテーマで括って展示していただいた。
6歳から今年までミックスして未公開130点を含み635点が展示されているが、
もっと気色悪いと思っていたが違和感がなかった。
展示方法は各学芸員の方にお任せした。
場所・空間によって作品の見え方も違っていると感心している。

作品になる対象との出会いの瞬間、手を加えるかどうか判断する。
作品の完成はもうこれ以上描きたくなくなる時だ。
展覧会は自分を刺激させてくれるためのもので見る。

からっぽのショーウィンドウ・パソコンの梱包材・看板裏の垂木・・・
わかんないことを解ろうとする神経が作品作りにつながる。
作品作りのために絵画から何か盗んでやろうという意識・それと色とか音とかでも・・・。
四字熟語が理解できないといけない頭が固くなる風潮を笑い飛ばすことが面白い。
そして、理解するより自分の感覚に合うことを探る。」