ルー・リード

ラ・ラ・ラ ヒューマンステップス「アメリア」を観て気になる「ルー・リード」の曲を聴いて詩を探す。CDで「僕は待ち人」「ユア・ミラー」「ヘロイン」を見つけた。70年代のグラムロックの詩が何故今使われることになったのだろうか?それで僕なりに印象に残った詩を書き留めておきたい。

フー・アム・アイ? 詩:ルー・リード(訳:染谷和美)
時に不思議に思う、俺は何者なんだろう
世の中は俺を通り過ぎていくようだ
若かった男が、今は年老いていく
訝らずにはいられない、残りの人生に何が待っているのか
鏡を自分の顔に向ければ
くっきりとした皺が数本
おまえを愛した記憶に捧ぐ
理性を二つに引き裂く情熱
ここで止めておくしかないな
思い出がおまえにしかめ面をさせるのなら
人はかつてなりたかった自分に思いを馳せるもの
そして現実に直面するものだ
一体、誰が始めたことなのか
神は恋に落ち
口づけを送った後に
相手に裏切られたのだろうか
そして神無き愛が、俺たちを追いやった
時に不思議に思う、自分が何者なのか
誰が木々を作ったのか
誰が空を作ったのか
誰が嵐を作ったのか
誰が失恋を作ったのか
どれほどの人生に、俺は耐えられるのだろう
ようやく見えてきた、未来の自分
おまえが生きていれば、助けを求めるところだが
しかし思考は俺を唖然とさせる
いずれにせよ思考は、俺の役に立った試しが無い
おまえは常に、やたらと後ろ向き
前向きに考えようとしなかった
いつもぎりぎりのところで
死ねばこうなるに違いないという夢を見ている
俺は確かに夢見がちで
こことは違う世界を思い描いてる
空気が無ければ呼吸ができないのも気に食わない
この肉体を離れて、自由になりたいものだ
神秘の子どものように、おまえは漂いたがる
天使の額に、おまえはキスしたがる
生命の謎を、おまえは解きたがる
誰かの喉を切り裂くことで、そして心臓を取り出すことで
それが鼓動するのを、おまえは見たいんだ
おまえは目を見開いて
俺は死んだのを知りながら
俺の太腿を掴みたがるんだ
こんな風に思うのは、いけないことなんだろうか
死した過去を、この手に握り締めておくことは
であれば何故、人には記憶が与えられたんだろう
心安らかに、自由にさせてくれ
時に不思議に思う、俺は何者なんだろう
世の中は俺を通り過ぎていくようだ
若かった男が、今は年老いていく
訝らずにはいられない、残りの人生に何が待っているのか