僕はピーターパンじゃないよ

ネバーランド」(ジョニー・ディップ主演)を観た。
僕はディズニーでしか知らなかったピーターパンにまつわる物語。とても感動的なシーンが続く。ネバーランド=理想郷もそこにある。
ジェームス・バリが戯曲としてロンドンで上演したのは1904年、日本では明治37年で日露戦争が始まった年である。日本の演劇界はどうだったのだろうと年表を見てみるとちょうど島村抱月がイギリスに留学している時期にあたる。抱月もこのピーターパンの舞台を見たのかもしれない。
映画のはじめで堅苦しい顔した観客が登場してくる。百年前は世界中が気難しい顔をして戦争に突き進んでいく。そんな中で上演された「ピーターパン」は大人への警鐘だったのだろう。不遇ながら子供たちと無邪気に遊び、犬のナナ・ピーターもいた。そして、原作者バリーは遺言で「ピーターパン」の著作権料をイギリスの小児病院に寄付し、今なお子供たちのために生きつづけている。